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自分でできる雨漏りの応急処置と、破損箇所を見つける手順

家で雨漏りが発生してしまった場合、早めの対策が不可欠です。

雨漏りを放置してしまうと、建物の骨格が腐食するおそれもあり、最悪の場合住めなくなるおそれもあります。

ただ、雨漏りの補修は大掛かりな工事になる可能性もあるため、依頼してすぐに対応してもらえるとは限りません。

打ち合わせも必要でしょうから、最短でも1、2週間は雨漏りを放置することになります。

そこで行いたいのが、雨漏りに対する応急処置です。

ここでは、素人でもできる雨漏りに対する応急処置を色々と紹介していきましょう。

目次

なぜ雨漏りが発生するのか

雨漏りに対する応急処置を紹介する前に、なぜ雨漏りが発生するのか原因を押さえておきましょう。
雨漏りは、実に様々な原因により引き起こされます。
最も原因として多いものは建物の老朽化ですが、それ以外にも施行不良や自然災害の影響も考えられます。

また、一言に老朽化といっても、屋根だけでなく壁や窓が原因となっていることも多く、素人では原因を特定することは困難を極めるのです。

ただし、どのような原因であれ、建物に不具合が生じていることだけは確かです。

建物の不具合を素人がどうにかすることは不可能なので、早めに信頼できるプロに直してもらうことが必要となります。

水の使用がないのにメーターが回っていたら「漏水」の可能性も

家の中に水が垂れてきているからといって、雨漏りと決めつけるのは早いかもしれません。

侵入しているのは雨水ではなく、劣化した水道管や排水管から漏れ出している水の可能性もあります。

雨ではないのに水が垂れたり、水を使っていないのに水道メーターが回っていたら漏水の可能性が高いです。

漏水は、水道業者を呼んで水道管を点検・修理することで解決します。

作業費用は1箇所につき1~5万円程度です。

業者選びに不安がある方は、都道府県の水道局から修理業者を紹介してもらうこともできます。

結露には適切な換気を

屋根や外壁などに問題があるわけでもなく、水道管や排水管も劣化しているわけでもないのに、雨漏りらしき水の侵入があるという場合は結露かもしれません。

結露とは、外気と室内の温度差で水滴が生じる現象です。

結露対策で効果的なのは、適切な換気です。

換気を心がけて、水分の少ない外気と入れ替えてあげることで、室内温度が下がり結露が生じにくくなります。

換気穴や換気棟の設置、屋根裏の断熱工事をやり直す方法もありますが、大規模工事になるうえ費用がかかるので、雨漏り解消のために選ぶ人は少ないようです。

雨漏りの応急処置方法

雨漏りの修繕には、屋根の張り替えのような大規模な工事が必要なケースも考えられます。

そのため、雨漏りの発生した次の日に直してもらうというのはなかなか難しいのが現状です。

また、信頼できる業者を見極める必要もあります。
すぐに修繕ができないということは、準備期間の間はなんとか応急処置を施してしのがなければならないということです。

そこでここからは、素人でもできる雨漏りへの応急処置をいくつか紹介していきましょう。

ビニールシートを被せる

雨が進入してきている部分をビニールシートで覆うことで、雨の侵入を防ぎます。

雨の侵入箇所を特定するのは非常に難しいので、広範囲をシートで覆ってしまおうという応急処置ですね。

雨漏りが発生している真上に原因があるとは限らないので、なるべく広範囲をビニールシートで覆っておいた方がいいでしょう。
ビニールシートを被せる際は、風で飛ばされることのないようしっかりと固定する必要があります。

ただし、固定の仕方によっては家にダメージを与えるおそれがあるので、固定方法には工夫が必要です。
できれば土嚢のような、風で落下しないおもりを置いて固定する方法が理想です。

ロープで縛って固定するのは、付帯部分の破損に繋がるのであまりオススメできません。

また、転がりやすい石などを置くのも、落下の危険があるので止めておきましょう。

それから、ビニールシートを被せたままにしていると湿気がこもる原因となってしまいます。
カビや苔が生える原因となるので、晴れたら撤去するようにしてください。
ビニールシートを設置するには、どうしても屋根に上らなければなりません。

雨で濡れた屋根は非常に危険ですので、雨漏りが起きたその場でこの応急処置はやらない方が無難です。
雨が予想される前日など、安全な作業環境が確保できる場合のみ実施するようにしてください。

防水テープで補修する

画像:防水テープ

もし、雨漏りを引き起こしている箇所が特定できるなら、防水テープで隙間を塞ぐことで応急処置ができます。

ただし、雨漏りの原因箇所の特定は難しいので、むやみやたらと防水テープを貼るのはNGです。

本当に雨漏りの原因箇所が特定できている場合のみ、防水テープで応急処置してください。
防水テープを貼る際は、まずはテープの密着性を確保するために、補修箇所の洗浄を行います。

油分まできちんと除去するため、洗剤やアルコールを活用してきれいに洗浄してください。
洗浄が完了し乾燥まできちんとできれば、防水テープを貼っていきましょう。
テープは、雨水の流れに逆らって貼っていきます。

つまり、下側から上側に向かって貼っていくということですね。
さらに、剥がれにくくするために、空気が入らないようにすることや、テープ同士が極力重ならないようにすることも重要です。

バケツなどに貯めて二次災害を防ぐ

画像:バケツに溜まった水

室内に入ってきた雨水は、放っておくと床に染み込んでしまうおそれもあります。

そうなると、床が腐食する原因となってしまいますね。

さらに、雨水が広範囲に広がると、電化製品を漏電させたり、布団やソファーを水浸しにしたりと、色々な被害をもたらします。

そこで、浸入してきた水が広がらないよう、バケツなどに雨水を貯める仕掛けが必要になります。
雨漏りといえばバケツに落ちる水を思い浮かべる人も多いと思いますが、あのような対策は不可欠です。

ただし、水が天井から落ちている場合は、勢いで水が飛び跳ねてしまいます。
そうなるとバケツの周囲が水浸しになってしまうで、タオルなどを敷いて水の飛散を防止する必要があります。

大きなビニールシートがあれば、床を広範囲に守ることができてよりいいですね。
また、天井から糸をたらして水を誘導する方法や、ビニール袋を設置してそこから水を誘導する方法など、雨水の飛び跳ねを防ぐ方法もあります。

雨漏りの時、やってはいけない応急処置

雨漏りに対して間違った応急処置をしてしまうと、被害を少なくするどころか状況を悪化させてしまうことがあります。

ここからは、雨漏りが起きてもやってはいけない応急処置法をいくつか紹介しておきます。

雨漏り箇所を特定しないままの補修

雨漏りの原因となる部分を特定せず、目に見えるひび全てを補修することはあまりオススメできません。

なぜなら、むやみに補修材を打ち雨水の流れを変えてしまうと、排水のバランスが崩れるおそれがあるからです。

建物全体の排水のバランスが狂い変な部分に水が貯まってしまうと、そこから新たな雨漏りが発生するおそれがあります。
特に屋根からの雨漏りは、原因の特定が非常に困難です。
雨漏りの原因が特定できないなら、無駄な補修はせずプロに修繕を任せてください。

釘を打つ

雨漏りしている箇所を塞ぐために、板を貼り付けようとする方もいるかもしれません。
また、板金が外れているのを補修するため、新たに釘を打とうとする方もいるかもしれません。

どのような理由であれ、素人が屋根に釘を打つことはオススメできないので避けてください。
屋根に打ってある釘は、骨格の木材を貫通しないように調節されて打たれています。

これは職人さんの技術があってこそできる技なので、誰でも同じようにできるわけではありません。
もし釘が木材を貫通してしまったら、雨漏りをひどくするだけです。
なにも分からずむやみに釘を打つことは、絶対に避けてください。

雨漏りの発生箇所を見つける手段

雨漏りが発生している箇所を特定できれば、応急処置も的確に行えます。

しかし、雨漏りしている場所を発見するのは、素人ではなかなか困難な作業です。

ただ100%不可能かというと、そういうわけでもありません。
散水調査という方法を使えば、プロでなくても雨漏りの原因を突き止めることができるかもしれません。

誰でも実施可能な散水調査

画像:家を虫眼鏡で見る

一般の方でも実践できる雨漏り箇所の調査方法としては、散水調査が最も簡単で取り組みやすいでしょう。

散水調査とは、その名の通り壁や屋根に水をかけることで、雨漏りしている箇所を突き止めるというものです。

ただ、闇雲に水をかけたのでは、どこから雨漏りしているのか突き止めることができません。
ここからは、散水調査を行う際の注意点をいくつか紹介しておきましょう。

建物の下から水をかける

屋根の上からいきなり水をかけてしまうと、下に水が流れ落ちるため結局どこに原因があるのか突き止めることができません。

そこで、水は建物の下の部分から順にかけるようにしてください。
建物の下から順に水をかけていけば、雨漏りの症状が発生した高さに原因がある可能性が高いということです。

また、先に目視で怪しい箇所をピックアップしておいてもいいでしょう。
水をかける範囲を絞れば絞るほど、原因は特定しやすくなります。

水をかける時間に注意

水をホースで数分かけた程度では、雨漏りの症状が現れないケースがあります。
逆に水をかけすぎてしまうと、雨漏りの症状がひどく2次災害を引き起こしてしまうかもしれません。

そこで、散水調査を行う際は適量の水をかけることを心がけなくてはなりません。
雨漏りの程度により水をかける時間も変化しますが、大体30分を目安にするといいと思います。
30分水をかけて雨漏りの症状が現れなければ、その部分が原因ではないと判断しても問題ないでしょう。

当然の事ですが、30分立たたなくても雨漏りの症状が発生するなら、すぐに散水を停止してください。
原因となっている箇所が分かればいいので、時間にこだわる必要はありません。

さらに、日頃から壁や屋根の状態をチェックしておけば、雨漏り箇所を素早く特定できるかもしれません。
特に雨漏りを防ぐために注目すべき箇所は、以下の記事で紹介しています。
合わせてチェックしてみてください。

雨漏りの施工事例はこちら

見える範囲を目視でチェック

雨漏りは、ひびや隙間から雨水が建物内に浸入することにより発生します。

と言うことは、壁や屋根に隙間や亀裂が発生していれば危険信号ということです。
隙間や亀裂は見れば分かるため、誰でもチェックできますね。

ここでは、特に注意すべき箇所をいくつか紹介していきましょう。

屋根材のズレ

下から見て屋根の材料が明らかにずれている場合は、その隙間から雨漏りが発生している可能性が高いです。

特に瓦屋根の場合は、強風などにより瓦がずれやすいですね。
屋根材は隙間が出ないように設置することで、雨の侵入を防ぐことができます。

特に台風の通過後や、地震が発生した後は注意が必要です。
一度遠目からでいいので、屋根材にズレがないかチェックするようにしてください。

外壁のひび

外壁にひびが見られるなら、そこから雨水が浸入して雨漏りしている可能性が高いです。
塗膜に細かいクラックが入る程度なら大丈夫ですが、外壁本体のひびは危険信号です。

それから外壁をチェックするなら、同時に外壁塗装の状態も見ておいた方がいいでしょう。
外壁塗装には壁を風雨から守る役割があるので、劣化しているなら壁がダメージを負っている可能性があります。
塗膜の剥がれやチョーキングという粉が浮く現象は、塗り替えのサインとなるので塗装を検討してください。

外壁の繋ぎ目

外壁をチェックする際は、つなぎ目のシーリングにも注目してください。

シーリングとは、つなぎ目を補強するゴムのような素材で、劣化すると固くなりひび割れが生じてきます。
シーリングが劣化していると、外壁のつなぎ目に隙間が生じている可能性が高くなります。

そこから雨水が浸入すれば、雨漏りを引き起こす可能性が高くなるのです。

ただし、屋根の上の細かい部分は簡単にチェックすることはできないと思います。
無理して屋根に上っても危ないので、チェックするのは見える範囲で構わないでしょう。

むやみに屋根に上ると、屋根材を踏み壊す危険もありますしね。
もし壁に亀裂などが見られるようなら、屋根も劣化している可能性が高いでしょう。
早めに優良な業者に相談するようにしてください。

天井や壁をチェック

雨漏りは、天井から水が落ちてきて発覚するケースが多いですが、その前から兆候は出ているはずです。
室内に水が滴り落ちる状態はかなり雨漏りが進行した状態で、それ以前に屋根裏などに水が浸入しただけの状態があるはずです。

そのような段階では、天井や壁のクロスに変化が生じていることが多いです。
たとえば、クロスの浮きや剥がれが生じていたりシミができていたりするなら、雨漏りの可能性をも疑った方がいいでしょう。

屋根のひび

屋根は直接雨風を受ける場所なのでダメージは大きく、スレートのひび、漆喰の崩れ、瓦のずれなどから雨漏りが発生するケースは多いです。

そもそもの原因としては、台風や地震などによる外的要因によるものと経年劣化があげられます。

屋根の棟板金、谷板金、破風板といった折り目や端の部分は、15年前後で浮きや釘のゆるみが起こり、雨水の侵入口となりやすい部位です。

ただし、屋根材をチェックするために屋根に自分で登るのは危険なので、業者に見てもらいましょう。

ベランダのひび

ベランダも屋根と同じく雨風にさらされる場所であるうえに、人の出入りがある分、防水塗膜が擦り切れやすく、ひびなどのダメージが早くあらわれます。

経年劣化による撥水力・防水力の低下で、家に水が染み込むようになります。

また、床面だけでなくベランダと外壁とのつなぎ目、立ち上がり部分、手すりなども侵入口になりえます。

ベランダの排水口の詰まり

落ち葉やゴミが排水口に詰まり、流れなくなった雨水が壁に染み込んでしまっていることもあります。

この場合は、自分で掃除することで直せることが多いので、まずは排水口を点検してみましょう。

サッシ枠と防水シートの隙間

外壁の水が侵入する箇所として多いのが、サッシ枠と防水シートの隙間です。

通常は雨水は外壁の表面を流れ落ちますが、経年劣化によるひび割れやコーキングの細かなひびや裂け目から雨水が侵入してくる場合があります。

これ以上の水の侵入を防ぐために防水シートが貼られていますが、施工不良や経年劣化によってサッシ枠と防水シートの間に隙間ができるとそこから雨水が侵入しています。

給排水管の隙間

給排水管もサッシ枠と同じように外壁と防水シートを貫通しているので、そこに隙間があると雨水が侵入する原因となります。

雨樋の詰まり・破損

雨樋の異常箇所から外壁に直接流れている水が、隙間を通って室内に染み込んでいる場合もあります。

その場合、雨が降っているときに雨樋の水が問題なく流れているかを見ることで確認できます。

雨樋の詰まりが原因の場合、業者に依頼して点検・清掃を行います。

費用はは1万5,000円~です。

高所作業のため、自分で屋根に上がって掃除するのは危険ですので業者に依頼しましょう。

雨樋が物理的に破損している場合は、交換となります。

一部交換で3万円~、全交換で10万円~が目安です。

破風・鼻隠し

破風(はふ)とは、三角屋根(切り妻屋根)の妻側(横から見て三角部分)部分を指します。

鼻隠し(はなかくし)は、屋根の軒先部分、雨樋が取り付けられている下地部分を指します。

屋根面と比較するとその面積は狭い箇所ではありますが、屋根同様、雨水が当たるということに違いはありません。

鼻隠しについは雨樋が設置されているため、直接雨風が当たることは破風に比べると少ないものの、雨樋に詰まりがあり雨水が流れない状態になると集中的に雨水を浴びてしまいます。

塗装によって防水性を維持しているため塗膜が剥がれると破風自体に雨水が染み込むようになり劣化・腐食が進みます。

雨水の吸水と乾燥を繰り返すことで、素材が変形し反りや剥がれにより隙間が生じ、雨漏りへと発展します。

雨戸の戸袋

古い家の場合、雨戸を収納する戸袋の裏側が防水処理されていないことがあります。

この部位が長期間雨にさらされ続けると雨漏りが発生するようになります。

防水処理をするか、雨戸をアルミサッシやシャッターに交換する工事を行うことで改善します。

費用は10万円〜になります。

雨漏りの補修は早めにプロにお願いしましょう

雨漏りは、応急処置では完全に修繕することはできません。

あくまでその場しのぎの対策なので、早めに雨漏り専門のプロに修繕を依頼するようにしてください。

雨漏りのない快適な住宅を取り戻すには、プロによる補修が不可欠となります。

雨漏りの補修は、プロでも原因特定が難しい工事です。

そのため、優良な業者を選定することが、雨漏りを解決するために重要な作業となります。

もし、雨漏りの相談ができる優良業者をお探しであれば、豊中市の私たち(株式会社エース)に相談してください。

府中市や大阪市、尼崎市を中心に雨漏り補修を行なっている私たちなら、どんな雨漏りでも原因を突き止めて完璧に補修することができます。

些細な質問にもお答えしますので、お気軽にお問い合わせくださいね。

長谷川 昭人

WRITER長谷川 昭人

代表取締役

平成10年に塗装職人をスタートさせ、個人事業主のときも含めると創業24年以上。今では、国家資格の一級塗装技能士の検定員として職人の検定や実技の指導をするほど、塗装に関する技術や知識を認められるようになる。 アステックペイントというオーストラリアでの遮熱塗料シェアNo1の日本法人からも「関西での実績No1だ」と言われるようになりました。 経営理念、「住まいを通じて『安心』『快適』『感動』を証明する」を元に、お客様と社員の喜びづくりを軸に活動中。

[更新日: 2023-11-8]

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