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外壁材ALCパネルとは?メリット・デメリット、費用を紹介!

ALCパネルは軽量かつ強度があり、断熱性を持ち合わせた現代建築に欠かせない建材となっています。 この記事ではALCパネルの特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

ALCパネルの特徴

ALCパネルとは、「軽量気泡コンクリート建材」のことをいいます。

珪石・セメント・生石灰・アルミ粉末を原料として作られています。

ALCとは『Autoclaved Lightweight Concrete』の略で、直訳するとオートクレープ処理にて製造された軽量コンクリートという意味合いです。

その名の通り、高温で発砲加工をしており内部に気泡が空いているので、その重さは一般的なコンクリートの約1/4と非常に軽いのが特徴です。

ALCパネルの種類

ALCパネルの種類は3つの分野によって分けられます。

形状による違い

・一般パネル

・コーナーパネル

一般パネルとは外壁の側面部分に使用される平面のパネルを指し、コーナーパネルとは建物の四隅の角に使う細長いL字型のパネルを指します。

形状の違いがありますが、頑丈さや模様、素材に違いはありません。

厚さによる違い

・厚型パネル

・薄型パネル

厚型パネルは、厚さ75mm以上のパネルを指します。

主に鉄骨や鉄筋コンクリートなどの耐火建築物で使用します。

薄型パネルは、厚さ35mm以上、75mm未満のパネルを指します。

主に木造や鉄骨造といった耐久性が低い建築物で使用します。

表面加工による違い

・平パネル

・意匠パネル

平パネルとは模様のないパネルのことを指し、意匠パネルとはラインやチェック模様などの模様が施されているパネルのことを指します。

特にお客様の要望がない場合は平パネルを利用します。

デザイン性を重視する方には模様付けをした意匠パネルがおすすめです。

ALCパネルの費用相場

ALCパネルの費用相場は、メーカーや規格によって変動しますが5,500円/㎡~7,200円/㎡ほどで、高いもので16,000円/㎡のものまであります。

この相場は材料費のみなので、業者に依頼し施工してもらう場合はこれに施工費が含まれます。

例えば、30坪の戸建て住宅をALCパネルにする場合、工事費は約150~250万円になります。

窯業系サイディングや金属系サイディングといったサイディング系素材の相場は3,500円/㎡~。

モルタルの相場は4,500円/㎡~とALCパネルより安価です。

工事費用を抑えたい場合は、必要な機能だけ満たしているALCパネルか他の外壁パネルを選ぶとよいでしょう。

ALCパネルのメリット

ALCパネルにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

メリットとデメリットを把握したうえで最適な外壁材を選びましょう。

耐久性が高い

ALCパネルは耐久性の高いことがメリットです。

木繊維やパルプ材といった有機物が含まれていないため、熱や乾燥に強く、その原因で発生してしまうひび割れや反りが起こりにくく、強材として防錆性能を有する鉄筋やスチールの金網が内包されているため耐久性が高いです。

定期的なメンテナンスを怠らなければ50年以上は工事の必要がありません。

長く住みたいという方におすすめの素材です。

防火性が高い

ALCパネルは耐火性・防火性に優れているため、火事でも燃えず、有毒なガスや煙も発生しません。

これは主原料が無機質の珪石やセメントなどで形成されているためです。

火災の際も炎や熱からの安全性を高めます。

防音性が高い

ALCパネルはコンクリートに多数の気泡を含ませた素材のため、この気泡が音を吸収し遮音します。

また、多数の気泡による空気の層によって音を通しにくい性質があります。

家の外から聞こえる自転車や電車の騒音、上下階の生活音など雑音を防いでくれます。

音に神経質な方でも安心できる素材です。

 

断熱性が高い

ALCパネルは、断熱性が高いため暑い夏や寒い冬でも室内の温度を一定に保つ効果があります。

これは内部に作られた無数の細かい気泡によってコンクリートの10倍もの断熱性を発揮するからです。

さらに、ALCパネルの熱伝導率はコンクリートの約1/10です。

他の外壁材と比べても、非常に優れた断熱性をもっているといえます。

高い断熱性により室温調整がしやすく、空調の利用頻度を抑え、結露も防止できるでしょう。

 

軽い

前置きでも紹介しましたが、ALCパネルは軽量であることが最大のメリットです。

内部に直径0.05~0.1ミクロンという非常に細かい気泡が含まれているため、コンクリートであるのに圧倒的な軽さを実現しています。

さらに、軽量であるため重さによる作業員のパフォーマンスが損なわれないため、他の外壁材と比べて工期を短縮できます。

また軽量であることは、地震時に外壁による負担を軽減させることにもつながります。

このように地震からの安全性を高めるだけでなく、施工の期間を短くするメリットもあるのです。

調質性に優れている

ALCパネルは調湿性にも優れているので、四季がある日本において多くの場面で活躍します。

湿度の高い梅雨時などは湿気を吸収し、乾燥する冬場は水分を放出します。

室内にある空気中の水分量をコントロールすることによって、結露の発生を抑えて空調を快適にします。

ただし、外の水分を吸収してしまうと、調湿性が損なわれてしまうので、調湿性を維持するためには防水塗装を施しましょう。

ALCパネルのデメリット

このように多くのメリットを持ったALCパネルですがデメリットもあります。

以下でALCパネルのデメリットを2点お伝えします。

吸水性が高い

ALCパネルのデメリットの1つとして、吸水性が高すぎるという点があります。

これは内部に含まれている細かい気泡から吸水してしまうためです。

吸水性が高くなれば必然的に対候性も低くなり、内部に水が浸水してしまった場合、気泡部分から病徴、ヒビ割れなどが発生の原因になり修復が困難なケースも多いです。

防水効果の高い塗装をすることで対策できます。

つなぎ目が多い

ALCパネルはサイディングボードよりも1枚のサイズが小さく設計されているため、どうしてもつなぎ目が多くなってしまいます。

問題はつなぎ目が多いことというよりは、上記でも挙げたようにつなぎ目から入ってしまう水です。

そのため水の侵入をふせぐのにシーリングという素材でつなぎ目を埋めます。

しかし、吸水性の高いALCパネルはシーリング材が細ってくると、水分が入りやすくなってしまい劣化が早くなるという可能性があります。

ALCパネルと他の外壁材の比較

ここまでで、ALCパネルについてはご理解いただけたかと思います。

では、日本の住宅で多く使用されている「サイディング」「モルタル」「タイル」といった外壁材とALCパネルにはどのような違いがあるのでしょうか。

以下では、ALCパネルと「サイディングボード」「モルタル」「タイル」をそれぞれ比較していきます。

ALCパネルとサイディングボードの比較

まずは、日本の戸建てで最も採用されているサイディングボードとALCパネルの性能を比較していきます。

サイディングボードには「窯業系」「金属系」「樹脂系」「木質系」の4種類があり、それぞれ性能が異なるので、それぞれ見ていきます。

・ALCパネルと窯業系サイディングの比較

窯業系サイディングは、日本の戸建ての7割以上で使用される非常にメジャーな外壁材です。

デザインのバリエーションが豊富なのが特徴です。

耐久性・防火性・耐震性などではALCパネルが勝っていますが、ALCパネルは高額かつシンプルなデザインなので、費用を安く抑えたいという場合には窯業系サイディングのほうが向いています。

・ALCパネルと金属系サイディングの比較

金属系サイディングは、アルミやガルバリウム鋼板で作られたサイディングボードです。

コストパフォーマンス・耐震性ともに優れていますが、音が響きやすく、外の熱を室内に伝えやすいというデメリットもあります。

全体的にALCパネルのほうが高性能のため、費用面を度外視するのであれば、ALCパネルのほうがおすすめです。

・ALCパネルと樹脂系サイディングの比較

樹脂系サイディングは、塩化ビニル樹脂を原料にしたサイディングボードです。

日本におけるシェア率は多くありませんが、北米の戸建て住宅の約半数はこの樹脂系サイディングを採用しています。

凍害・塩害に強いという特徴があるので、豪雪地帯や沿岸部に住宅を持つ方はALCパネルと並行して検討しても良いでしょう。

・ALCパネルと木質系サイディングの比較

木質系サイディングは、その名の通り木材でできたサイディングボードです。

温かみのあるデザインと断熱性の高さなどから根強い人気がありますが、耐火性能の低さと費用の高さがデメリットに挙げられます。

木質系サイディングのデザインにこだわりがないのであれば、ALCパネルのほうが高性能かつコストパフォーマンスに優れています。

ALCパネルとモルタルの比較

モルタルとはセメントに砂や水を混ぜあわせて作られた外壁材で、コーキングの目地のない美しい外観が特徴です。

耐久性・耐火性にも優れているため、サイディングボードが主流化するまでは、モルタル外壁の戸建て住宅がほとんどでした。

モルタルにはひび割れを起こしやすいというデメリットがあるので、ALCパネルと比較すると性能面で劣ります。

ALCパネルとタイルの比較

外壁に用いられるタイルとは、土や石を高温で焼き固めたものを指します。

タイルは非常に硬く、水をほとんど吸水しないので、耐久性に優れています。

また、塗装を必要としないため、メンテナンスコストが他の外壁材と比較して圧倒的に安いのも特徴です。

ALCパネルとタイルは性能が似通っていますが、メンテナンスコストの点ではタイルが、耐震性の面ではALCが優れています。

メンテナンス時期とその方法は?

ALCパネルのメンテナンス時期のタイミングは、築年数もしくは劣化症状で判断します。

どちらも『防水効果が切れる時期』を目安に行います。

メンテナンスの目安となる築年数

ALCパネルのメンテナンスは築10年前後を目安に行うといいでしょう。

10年前後が外壁の表面を守ってくれる防水機能が切れてくるタイミングだからです。

メンテナンスの目安となる劣化症状

チョーキング

外壁を触ると手に粉が付く状態です。

水を弾く成分が紫外線で飛んでなくなり、既に水を吸い込んでしまう状態になっています。

カビ・コケ・藻・ツタ

カビ・コケ・藻の胞子は湿気の多い場所を好んで発生します。

これらが発生しているということは、ALCパネルが水を吸い込んでいるという証拠です。

また、茶色の点はツタの跡です。

ツタは水分のあるところに根を張って、ALCパネルの内部を弱らせてしまうので、これを見つけた場合は早急な対処が必要です。

シーリングのひび割れ

つなぎ目に入っているシーリングはゴムのような素材で、紫外線を浴び続けると縮んだり硬くなったりして割れてしまいます。

放置しておくとどんどん水が浸入してしまうのでメンテナンスが必要です。

外壁のひび割れ

ALCパネルは吸水性が高いので、水を含むとスポンジのように膨らみ、乾くと縮むを繰り返します。

外壁自体がひび割れすると、この伸び縮みで負荷がかかり頑丈なALCでも割れてしまいます。

これらの症状に当てはまったら、早急にメンテナンスを検討しましょう

次にメンテナンス方法について紹介します。

ALCパネルが劣化した場合、主に3つの方法が挙げられます。

シーリング補修

細ったつなぎ目の上に新しいシーリングを足す「増し打ち」と既存のシーリングをを全て撤去して新しいものに交換する「打ち換え」があります。

外壁塗装

ALCパネルの塗装が剥がれてきた場合に既存の塗膜の上から再塗装します。

 

パネルの張り替え

ALCパネルが割れたり破損した場合に破損したパネルを新しいパネルに交換します。

まとめ

ALCパネルはメンテナンスを10年前後で行うことを怠らなければ、長寿命の魅力的な素材ということがわかりました。

定期的なメンテナンスができるかどうかを検討し、後悔のない家づくりに活かしましょう。

外装塗装について相談したい、外装の点検や工事を依頼したいという方は株式会社エースまでお問い合わせください。

 

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