鉄筋コンクリートの建物というと、マンションのような大きな建築物を思い浮かべる方も多いでしょう。
実際、鉄筋コンクリートは大型の建築物に採用されるケースも多く、非常に耐久力の高い建材となっています。
一方最近では、一般的な住宅にも鉄筋コンクリートが採用されるケースが増えてきているようです。
しかし、通常の木造住宅とは異なる特徴があるので、油断していると雨漏りのような不具合が発生しやすい建物となっています。
そこで今回は、鉄筋コンクリート造住宅の特徴や、雨漏りを防ぐための注意点などを紹介していきましょう。
目次
鉄筋コンクリートとは?
鉄筋コンクリートとは、コンクリートの中に鉄筋を埋め込んで作る建材です。
英語ではreinforced concreteと表記し、頭文字をとりRCとも呼ばれています。
RC造と呼ばれる建築物を見たことがあると思いますが、これは、鉄筋コンクリートで造られていることを現しているのです。
コンクリートには、圧縮に対しては強い耐久力を誇りますが、引張り力には弱いという弱点があります。
一方、鉄筋には引張り力に対しては強い耐久力を誇りますが、圧縮に対してはすぐに曲がってしまうという弱点があります。
そこで、この両者を組み合わせることで、互いの長所と短所を補い合い、非常に高い耐久性を確保できるというわけです。
鉄筋とコンクリートの組み合わせは非常に合理的で、誕生して以来数多くの建築物に採用されています。
数々の新技術が誕生している現在でも、現役で活躍できる非常に優秀な建材といえるでしょう。
鉄筋コンクリートの住宅は基本的に陸屋根
鉄筋コンクリートで作られた建物は、基本的に屋根がフラットな形状となります。
マンションなどを見てみると、屋根面はすべてフラットな屋上になっていますよね。
これは、戸建住宅でも同様のことが言えるのです。
屋根が屋上のような形状となるため、スペースを有効活用できるのが特徴です。
ガーデニングや家庭菜園を楽しんだり、バーベキューをするスペースとして活躍してくれます。
一方で、フラットな屋根は水はけが非常に悪いので、雨漏りには注意しなければなりません。
屋上には防水層が作られているのですぐに雨漏りすることはありませんが、メンテナンスをおこたると雨漏りのリスクが一気に増してしまいます。
鉄筋コンクリート造のメリット
鉄筋コンクリート造の住宅は、マンションのような中高層の建物によく見られる構造です。
多くの人が暮らす建物に採用されるということは、それだけメリットが多い構造と考えることができます。
鉄筋コンクリート造の住宅には、以下のようなメリットがあります。
頑丈で耐用年数が長い
鉄筋コンクリートの建物は、躯体が頑丈なコンクリートで構成されます。
しかも、コンクリートの弱点は鉄筋で補強されているため、普通のコンクリートよりも段違いに耐久力が上がっているのです。
実際、法律で定められた法定耐用年数は47年に設定されています。
これは、木造の22年や鉄骨造りの34年よりも長い年数となっており、法律的にも耐用年数の長さが認められているといえるでしょう。
さらに、鉄筋コンクリート造は非常に高い耐震性能も実現しています。
柱や梁で構成される木造建築は、骨組みの接合部に揺れの力が集中する構造です。
力が一点に集中すると、それだけ破損する危険性は高まってしまうのです。
一方、鉄筋コンクリートの建物は揺れによる力を面で受けることができます。
地震の力をバランスよく分散できるので、揺れにより崩壊する危険を減らすことができるのです。
デザインの自由度が高い
鉄筋コンクリートは、鉄筋で組まれた型枠にコンクリートを流して作ります。
型枠さえ作ってしまえば、コンクリートは流体のため、どのような形状でも自由に再現できるのです。
一般的な建材では難しい曲線も簡単に施工できるため、デザインの自由度が非常に高くなります。
また、木造建築では難しい大きな空間も鉄筋コンクリート造なら実現できます。
鉄筋コンクリートは非常に頑丈なため、柱や梁を長く設計できるのです。
これにより、広いリビングやビルトインガレージを実現することも可能となります。
住宅として高機能
鉄筋コンクリート造の建物は、住宅として様々な面で優れた機能を備えています。
まず、高い耐火性が挙げられます。
コンクリートは燃えない素材なので、木造とは比べ物にならないほど耐火性能に優れています。
もしお隣が火事になったとしても、延焼を防いでくれる可能性が非常に高いです。
次に、遮音性に優れることも鉄筋コンクリート造の特徴です。
コンクリートは音を通しにくい材料なので、外の騒音を通すことなく静かな生活を維持してくれます。
また、内部の生活音が外に漏れないため、プライバシーも保護できますね。
さらに、機密性が高くエアコンなどを効率よく使用できます。
基本的に断熱材を同時に施工するため、エアコンで調節した部屋の温度が外に逃げることを防いでくれるのです。
エアコンを効率よく使えるため、光熱費も安く済ませることができるようになります。
鉄筋コンクリートのデメリット
鉄筋コンクリート造の住宅には、デメリットもいくつか存在しています。
メリットもたくさんある鉄筋コンクリート造ですが、デメリットもしっかりと確認しておく必要があるでしょう。
鉄筋コンクリート造の建物のデメリットは、以下の通りです。
建築コストが高い
鉄筋コンクリート造の住宅は、木造に比べて作業工程が大掛かりになります。
必要な建材の種類も増えるため、職人さんの数もたくさん必要になるでしょう。
材料費も人件費も、木造住宅に比べると高額になってしまいます。
さらに、鉄筋コンクリート造の建物は、建材の関係から重量が非常に重くなります。
その重さに耐えられる地盤や基礎を整える必要があるため、地盤強化などの工事が必要なケースもあります。
当然これにも費用がかかるため、総合すると木造住宅よりかなり割高となってしまうのです。
結露が発生しやすい
鉄筋コンクリート造の建物は、隙間がなく非常に高気密な部屋を実現できます。
機密性の高さは断熱材の効果を最大限発揮することにつながりますが、同時に外との気温差による結露が発生しやすくなってしまいます。
結露を放置してしまうと、カビが発生するなどのトラブルにも発展してしまいます。
機密性が高いということは、同時に換気が悪くなるということでもあるのです。
意識的に換気を行わなければ、カビなどに悩まされる結果となるかもしれません。
最近では、24時間換気を行うシステムなども設置できます。
このシステムがあれば結露の問題は解決できるので、導入を検討してみるのもいいかと思います。
鉄筋コンクリート造の雨漏りの原因と修理方法
鉄筋コンクリート造の建物は、屋根の水はけが悪いので雨漏りには最大限の注意が必要です。
とは言え、雨漏りを防ぐために様々な工夫がされているので、きちんとメンテナンスをしていれば雨漏りを防ぐことは十分可能といえます。
鉄筋コンクリート造の建物では、以下のような不具合が雨漏りの原因となることが多いです。
もし、雨漏りに悩んでいるのなら、重点的にチェックしてみてください。
コンクリートのひび割れや穴
コンクリートは、乾燥による収縮を繰り返すことでひび割れてしまうおそれがあります。
また、地震の揺れや基礎が沈下することによっても、ひび割れが生じるリスクがあります。
ひび割れが発生すると、コンクリート内部に雨水が浸入してしまいます。
浸入した雨水は、当然雨漏りの原因となりますね。
また、浸入した雨水により鉄筋が錆びてしまうと、鉄筋が膨張してコンクリートを脱落させることもあります。
この現象は爆裂と呼ばれ、落下したコンクリートが人に当たると大きな被害を出すおそれもあります。
さらに、そこから雨水が浸入しやすくなるので、雨漏りも助長させてしまいます。
このような状況を防ぐためにも、早めにコンクリートのひび割れには対処しておいた方がいいでしょう、
修理方法
表面的な浅いクラックの場合、大規模な修理は必要ないケースがほとんどです。
防水スプレーで雨水の浸入を防いだ上で、クラックが広がらないか様子を見るようにしてください。
一方、内部まで深くクラックが進行している場合は、専門業者により修理が必要となります。
ひび割れを削った上でエポキシを注入し、モルタルで塞ぐといった修理が必要となるので、早めに修理を依頼するようにしてください。
屋上やベランダの防水層の劣化
鉄筋コンクリート造の住宅の場合、屋根は平らな陸屋根がほとんどです。
この屋根形状は水はけが非常に悪いため、防水層を施工することで内部に雨水が浸入することを防いでいます。
また、ベランダも屋上と同じく平坦で水はけが悪いため、防水層が施工されていますね。
このいずれかの防水層が劣化してしまうことで、雨水が建物に浸入してしまい、雨漏りに発展してしまうことになります。
防水層の劣化の症状としては、クラックやシートのめくれなど目に見えて確認できることが多いので、一度確認してみてください。
修理方法
防水層の劣化が原因の雨漏りを修理するには、新しく防水層を作り直す必要があるでしょう。
防水層を作る工法には、ウレタン塗膜防水やFRP防水、シート防水などの種類があります。
それぞれ寿命や特徴、コストが異なりますので、あなたのお宅に最適な物を選択して防水工事を施すようにしてください。
防水層は定期的なメンテナンスを実施することで、寿命を延ばすことができます。
トップコートを塗り増しするだけのような簡単なメンテナンスも工法によっては非常に効果的なので、防水工事の種類を決める参考にしてみてください。
シーリングの劣化
鉄筋コンクリートの建物には、意外と多くの部分にシーリングが施されています。
窓のサッシやドアの部分だけでなく、コンクリートのつなぎ目にも施工されているのです。
このシーリングは、紫外線の影響を受けどんどん劣化していきます。
シーリングの劣化が進むと、だんだんと硬くなっていき最後にはひび割れてしまいます。
シーリングがひび割れれば、そこから雨水が浸入してしまうことになります。
そのため、シーリングのひび割れには特に注意を払って、劣化が目立つようなら修理を実施するようにしてください。
修理方法
シーリングにひび割れが発生している場合は、基本的には打ち直しを行います。
これは、古いシーリングを撤去した上で、新しいシーリングを施工する方法です。
新しいシーリングで隙間を埋めてしまえば、長期間雨水の浸入を防ぐことができるでしょう。
シーリングの修理には、古いシーリングの上から新しいシーリングを施工する打ち増しという方法もあります。
しかし、打ち増しは古いシーリングと馴染まず、すぐに剥がれてしまうおそれがあるため、あまりオススメはできません。
鉄筋コンクリート造の建物の雨漏りもエースにお任せください
非常に頑丈なイメージのある鉄筋コンクリートでも、雨漏りは発生してしまいます。
むしろ、鉄筋コンクリートの住宅にありがちな陸屋根は雨漏りに弱い構造といえるので、細心の注意が必要となるのです。
鉄筋コンクリートの住宅で雨漏りが心配なら、一度私たちエースにご連絡ください。
防水施工の専門家である私たちなら、鉄筋コンクリート造の住宅の雨漏りも確実に修理することができます。
誰にもわかりやすくご説明いたしますので、まずは相談だけでもしてみてくださいね。