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寄棟屋根は雨漏りに弱い?メンテナンスで気をつけるポイントを紹介

屋根にも様々な形状があり、住宅のデザインにおいて変化や個性を演出してくれます。

特に最近ではデザインを重視した住宅も増えているので、住宅地を歩いてみると非常に様々な屋根の形状を見ることができるでしょう。

もしかしたらあなたも、屋根の形状にまでこだわって住宅を建てたかもしれませんね。
ただ、屋根形状の違いによって、雨漏りのリスクや耐久性も異なることを忘れてはいけません。
屋根の形状を変えることは現実的ではありませんので、種類ごとの特性を理解して雨漏りなどが起こらないよう適切なメンテナンスを実施することが不可欠と言えるでしょう。

ここでは、数ある屋根形状の中から、見かける機会も多い寄棟屋根について紹介していきたいと思います。

目次

見落とされがちだが実は大事な屋根の形

これから住宅の購入や建築を検討している際に、屋根の形は見落とされることが多いです。
しかし、屋根の形は住み心地や将来発生するメンテナンス費用が大きく変わる重要な要素です。

屋根の形は美観やオリジナリティだけで選ぶことは危険です。

シンプルな屋根こそが優秀な屋根であるという考えもあります。

屋根の形だけではなく、軒先の長さや屋根の勾配(角度)も雨漏りリスクや将来発生するリフォーム費用に大きく関わります。

雨漏りしにくい屋根とは?

屋根の重要な目的は雨漏りを防ぐことです。
雨漏りしにくい屋根とはどんな屋根なのでしょうか?

複雑な形状の屋根より、下屋根のないシンプルな形状の屋根の方が雨漏りリスクが低いことは間違いありません。

ただしインターネット上には様々な見解があり、雨漏りしにくい屋根という明確に断定するのは難しいのですが、屋根の種類を知ることで屋根を選ぶ判断基準にしていただけると幸いです。

雨漏りしやすい屋根のポイントとして以下のものがあります。

「谷樋板金」がある屋根

谷樋板金(たにどいばんきん)は、L字型やT字型の敷地で住宅を建てる時、連続性のない屋根と屋根の取り合い部(結合部)に用いられます。

谷樋を伴い結合した屋根を複合屋根とも呼ばれますが、複合屋根は極めて雨漏りリスクが高い屋根の形状です。

「下屋根と外壁の取り合い部」がある屋根

板金を用いた下屋根と外壁の取り合い部がある屋根は雨漏りリスクが高いと言えます。

「軒先の出」がない(短い)屋根

軒の出が短いと、軒先と外壁の取り合い部から雨水が入り込みやすくなります。

また、壁面が劣化しやすく窓や開口部からの雨漏りリスクも高まります。
雨漏りリスクを考慮するなら軒先の出がしっかりある屋根をおすすめします。

屋根の種類

代表的な屋根の形を紹介します。
それぞれメリット・デメリットも把握し選ぶことが大切です。

切妻屋根(きりづまやね)

切妻は住宅に多く採用されている三角屋根のことです。
名前は聞き馴染みのない方も多いと思いますが、切妻(キリヅマ)と呼びます。

切妻は雨漏りリスクや将来のメンテナンス費用が低いという特徴があります。

切妻のメリット

  • 費用が安い

切妻屋根の最大のメリットは費用が抑えられるという点です。
シンプルな形状のため施工にかかる材料費や人件費が安く抑えられます。

多くの住宅で採用されている形のため、施工できる会社が多いいので、多くの業者の中から依頼する業者を選ぶことができます。

  • 工期が短い

切妻屋根はシンプルな形なので施工期間が短いという特徴もあります。

他の屋根と比べて工期が短縮できるため、早めに住宅に暮らし始めることが可能です。

  • 換気しやすい

切妻屋根は形状の関係で、室内の構造が三角になります。

そのため風通しが良く、換気しやすいというメリットもあります。

昔ながらの三角の屋根裏部屋を作ることができ、風通しの良いロフトや湿気がこもりにくい特性を生かした子供部屋にするのもおすすめです。

  • ソーラーパネルを設置しやすい

切妻屋根はシンプルな構造をしており、適度な勾配と面積があるため、ソーラーパネルを設置しやすいです。
ソーラーパネルなど屋根の設備を検討している方には切妻屋根がおすすめです。

勾配を片方だけ多く取れば、ソーラーパネルの面積を大きく設置することもできます。

  • 屋根の積雪を管理しやすい

屋根の形状が2方向に分かれているため、積雪の量を調節しやすいというメリットもあります。

雪が積もる地方では特に重宝される屋根の形状になります。
雪を溶かす設備を屋根に取り付ける際にも付けやすいなど、豪雪地帯におすすめの屋根の形状です。

切妻のデメリット

  • 個性が出せない

切妻屋根はシンプルな形状ゆえにメリットが多くありますが、一方で単調で個性が出しにくいというデメリットもあります。

自宅を建設する際に、個性を出してデザインでこだわりたいという方には向かない屋根だと言えます。
切妻屋根でも個性を出すには、塗装で工夫するしかできないので、屋根自体のデザインにこだわりたい方は他の形状を検討した方が良いかもしれません。

ただし個性的なデザインは飽きが来やすいというデメリットもあり、世界でも多く見られる昔ながらの切妻屋根は長い目で見ると飽きづらいという安定感があります。

  • 一方に日が当たりやすい

切妻屋根は2面に分かれているので、一方の面だけに日光が当たりやすくなることがあります。
一方に偏って日光が当たり続けることで、片面だけ早く劣化してしまう可能性もある点は注意が必要です。

劣化の状況によってメンテナンスを分けて行う必要があるので、メンテナンス頻度や費用が多くなる可能性があります。

また、日当たりが悪い方の屋根は、結露がたまりやすく、建材が劣化しやすいので注意しなければなりません。

片流れ屋根(かたながれやね)

片流れ屋根とは1面だけで傾斜した屋根です。
比較的費用が安く抑えられるので、コストを重視する上では最もおすすめできる屋根の形状です。

片流れ屋根のメリット

  • 費用が安い

切妻屋根と同様に片流れ屋根もシンプルな構造で出来ているため、他の形状よりも材料費や人件費が安く抑えられます。

  • ソーラーパネルを設置しやすい

片流れ屋根は他の屋根と比べて屋根面が広いため、ソーラーパネルが設置しやすいというメリットがあります。

屋根の傾斜を南向きにすると太陽光発電の効率が良くなることから、新築住宅ではソーラーパネルを設置するのを前提で南向きの傾斜に建設することもあります。
今住んでいる住宅が南向きの片流れ屋根なら、ソーラーパネルの設置を検討してみるのもおすすめです。

  • 屋根裏に大きなスペースが作れる

片流れ屋根は傾斜をつけることで屋根と天井板の間に大きなスペースを作れます。
このスペースを小屋裏収納として有効活用すれば、収納スペースが増えて居住スペースを広く使うことができます。

ただし、小屋裏は「高さ140cm未満」、「面積が階下の1/2までの広さ」などの条件を満たさないと延床面積に算入されてしまうので注意が必要です。

片流れ屋根のデメリット

  • 劣化しやすい

片流れ屋根は一方向に屋根がある形状のため、軒先のない壁面は雨風や紫外線の影響を受けやすく劣化しやすいデメリットがあります。
また、屋根に当たる雨水も分散せずに一方向に流れるので、屋根や雨を受ける雨樋が劣化しやすくなってしまいます。

さらに、換気がしにくい構造によって起こる結露で屋根の劣化が起きる可能性もあります。
結露が起きるとカビや木材の腐朽、シロアリなどの原因にもなるので対策しておく必要があります。

  • 雨漏りリスクが高い

片流れ屋根は一枚屋根で接続部分がないため、雨漏りしにくい形状だと言われています。

しかし、屋根からではなく破風板と野地板(野地合板)の境目から、伝い水によって雨漏りが発生するケースがあります。

また、軒天換気口から雨水が侵入したり、結露による劣化が原因で雨漏りが起こる場合もあります。
片流れ屋根は防水性の高い部材を使用し、定期的にメンテナンスを行うことが大切です。

入母屋屋根(いりもややね)

入母屋屋根は、上部が切妻屋根になっており下部が寄棟屋根のように四方向に屋根があります。

重厚感や和風のイメージから、日本瓦と相性がとてもいい屋根の形状になります。

しかし、接合部分が多い複雑な構造となっており、雨漏りのリスクが高い屋根形状でもあります。

入母屋屋根のメリット

  • 重厚感があり高級感溢れる見た目

入母屋屋根の最大の魅力は、重厚で高級感溢れる見た目にあります。

特に日本瓦との相性は抜群で、瓦の持つ美しさを最大限引き出すことのできる屋根形状といえるでしょう。

伝統的な和風建築にも採用されていることから、日本の風土や環境にもしっかりと馴染んでくれます。

  • 耐久性が高い

入母屋屋根は、寄棟となる下部が4方向に軒を下ろしているので、壁が風の影響を直接受けにくいのが特徴です。

全方向からの風を防ぐことができるため、強風が吹いたり台風の多い地域でも安心して暮らすことができるでしょう。

  • 通気性が優れている

切妻屋根の特徴を持つ入母屋屋根は、高低差のある構造によって屋根裏が広く設けられており、効率よく空気の流れを作ることができます。

そのため、通気がよく換気性能が非常に高い屋根形状です。

建物の換気性能が高いと、ダニやカビの発生・建物の腐食・生活臭などを防いでくれます。

入母屋屋根のデメリット

  • 建築コストが高い

入母屋屋根は構造が複雑なことから、工期が長くなり人件費がかかる上に、扱える職人もあまり多くはありません。

屋根面積が大きくなる分の材料費も相まって、他の屋根と比べるとコストが高くついてしまいます。

また初期費用だけでなく、メンテナンスの際にも、コストがかかることを覚悟しておくことが大切です。

  • 雨漏りのリスクがある

入母屋屋根は形状が複雑なため、雨漏りのリスクが高くなります。

雨漏りは、屋根の接合部や谷、隙間などから発生します。

複雑な形状であるということは、それだけリスクも高くなるということです。

さらに、一度雨漏りが発生してしまうと、複雑な構造から原因を特定することは困難です。

シンプルな屋根形状に比べると調査費用も割高です。

  • 屋根が重い分耐震性に不安がある

切妻屋根と寄棟屋根という実質2つの屋根が合わさった構造上、他の屋根と比べてどうしても重くなります。

そのため、耐震性能は良くありません。

ただし最近は、日本瓦よりも軽量な屋根材を用いて地震対策をするケースも増えています。

方形屋根(ほうぎょうやね)

方形屋根は、寄棟屋根の一種で、屋根の中心点から4方向に勾配がある屋根形状で、上空から見ると正方形をしています。

一般的な住宅ではあまり採用されておりませんが、寺院などで見かける屋根形状です。

方形屋根のメリット

  • 四方に均等に雨や雪を分散できる

方形屋根は「かき合い」と呼ばれる屋根の頂部を中心に、四方にバランスよく屋根が配置されるので均等に雨や雪を分散させることができます。

  • 四方から壁を均等に雨風から守れる

四方すべての外壁をカバーし、太陽光や雨水による劣化を防ぐことができます。

  • 正方形なので頑丈

方形屋根は上から見ると正方形のバランスのとれた屋根形状をしているので、屋根内部の構造を頑丈にしやすく、風圧や地震力に対して強い作りにできます。

方形屋根のデメリット

  • 屋根裏の換気に注意が必要

方形屋根は大棟がない分、屋根裏に換気扇を設置しにくい構造となっています。

換気扇の設置などの工夫が不可欠です。

  • 雨漏りしやすい

方形屋根の頂点は、棟板金ではなく板金同士の継ぎ目をふさいでいるシーリング材に頼る形状ですので、雨漏りがしやすい難点があります。

陸屋根(ろくやね・りくやね)

陸屋根(りくやね・ろくやね)とは、勾配のない平面状の屋根のことです。

陸屋根のメリット

  • 屋上スペースを有効活用できる

バルコニーやベランダ代わりのスペースとして使うことができ、日当たりが良いのでガーデニングや家庭菜園をしたり、太陽光発電システムを設置することも可能です。

  • メンテナンス・掃除がしやすい

陸屋根はフラットな形状をしているので、掃除やメンテナンスがしやすいです。

簡単に出入りすることができるので、足場の設置も不要で自分たちで掃除やメンテナンスすることができます。

  • 居住スペースを広くできる

陸屋根は天井が平面なため、三角屋根と比べると居住スペースが広くなり、同じ天井高でも室内の空間を広く使うことができます。

陸屋根のデメリット

  • 水はけが悪い

陸屋根は勾配がなく平らなので、水はけが悪いです。

しっかりと防水処理をしておかないと雨漏りするリスクが高くなります。

  • 最上階が暑くなりやすい

陸屋根は屋根と天井の間に空間がないため、特に最上階は夏は暑く、冬は寒くなりやすいです。

熱がこもらないようにするためには、断熱材などによる対策が必要です。

  • 屋根裏に収納やロフトを設置できない

陸屋根は屋根裏のスペースを確保できないため、収納やロフトを設置できません。

収納をそこまで多くなくていいという方は問題ありませんが、収納を多く確保したい方は設計時に業者と相談しましょう。

寄棟屋根とは?

寄棟屋根とは、屋根の頂上部分から4方向に屋根面が降りている形状の屋根を指します。
真上から見ると長方形になっており、距離が長い面には台形、短い面には三角形の屋根が取り付けられています。
切妻屋根と並んで一般的な屋根形状で、日本だけでなく世界中の住宅で採用されています

寄棟屋根の頂上部は、台形の屋根が合わさる部分が直線状です。
一方、頂上が直線状になっておらず、一点から4方向に屋根が下りているものは方形屋根と呼ばれます。
基本的に真上から見ると正方形になっており、寄棟屋根とは区別されています。

日本において寄棟屋根は、切妻屋根に次いで多く用いられる形状です。
そのため、自宅が寄棟屋根を採用しているという方も非常に多いと思います。

寄棟屋根の読み方

寄棟屋根は「よせむねやね」と読み、この種類の屋根をもつ建物は「寄棟造(よせむねづくり)」と呼ばれます。

日本だけでなく世界的に見られる一般的な住宅屋根のひとつで、日本でも人気の高い屋根形状です。

「寄棟屋根」は英語では「hipped roof」と呼びます。

「hipped」は「隅棟のある」という意味で、「隅棟」とは隣接する屋根のつなぎ目が山折状になっている部分を指します。

寄棟屋根の各部名称

寄棟屋根は、様々なパーツを組み合わせることで構成されています。
そして、各部位にはそれぞれちゃんと名称がつけられえいるのです。

もちろん専門的なことなので、覚えていなくても日常生活で困ることはありません。
しかし、屋根の部位ごとの名称を覚えておけば、「ちょっと屋根がずれているかも?」などと不具合に気づいたとき業者に相談しやすいでしょう。

ここからは、寄棟屋根の各部位の名称を紹介していきましょう。

大棟

大棟は、寄棟屋根の頂上にある水平な部分のことを指します。
台形の屋根の頂上が合わさり、直線状となっている部分のことですね。

大棟は、三角形の屋根であれば必ず存在する最も代表的な棟です。
接合部分であり隙間からの雨漏りリスクがあるため、棟板金という金属板により保護されています。
頂上部分で最も風雨の影響を受けやすいので、劣化による雨漏りに注意が必要な部分ということができるでしょう。

隅棟

隅棟は、隣り合う屋根面同士の接合部分のことを指します。
台形の屋根面と、三角形の屋根面が合わさる部分のことですね。
大棟から傾斜部分に下っている棟であることから、下り棟とも呼ばれます。

基本的な寄棟屋根の場合、大棟の端から2本ずつ、計4本の隅棟が形成されることになります。
こちらも屋根の接合部分で、隙間からの雨漏りリスクを軽減するため棟板金により保護されています。

軒天

屋根の先端部分で、外壁よりも外側に出ている部分のことを軒先と言います。
軒天は、軒先の裏側の天井部分のことを指します。
つまり、軒先で雨宿りなどをしている際に、上を見上げて見える部分が軒天というわけです。

屋根材と同じく、軒天も様々な素材を選択できます。
軒天と外壁の接合部も雨漏りの原因となりやすいので、あなたの自宅で採用している素材に合わせたメンテナンスを実施する必要があります。

寄棟屋根のメリット

寄棟屋根は、世界各国で使われている優秀な屋根です。
住宅の屋根として採用することで、以下のようなメリットを受けることができます。

雨や風に強い

寄棟屋根は、構造的に非常に風に強い形状となっています。
建物の四方全てに軒があるため、どの方向からの風も受け流すことができるのです。
そのため台風などの強風に煽られにくく、屋根の一部が飛ばされる心配がほとんどありません。

また、屋根に降る雨や雪を4方向に分散できます。
屋根面ごとの負担量が軽減されるため、雨や雪により屋根が破損するリスクも低くできるのです。

四方に屋根面を持つ寄棟屋根の構造は、非常に高い耐久性を誇ります。
住宅は長く住み続けることも重要な要素のため、寄棟屋根は非常に優れた屋根形状ということができるでしょう。

外壁を保護する能力が高い

切妻屋根などでは、軒がない面の外壁が紫外線や雨の影響を直接受けてしまいます。
紫外線や雨は外壁に施された塗装を劣化させてしまうので、軒がなく無防備な状態だと劣化が進みやすくメンテナンスの回数が増えてしまうでしょう。

一方、寄棟屋根なら全ての面の外壁に軒があります。
軒があることで、紫外線や雨が外壁にあたりにくくなるため、劣化の進行を抑えることができるのです。

四方に屋根を持つ寄棟屋根は、屋根本体だけでなく外壁の耐久性も高めてくれます
屋根だけでなく建物全体の耐久性が向上するため、長持ちする住宅を望む方には最適な屋根形状といえます。

建物の向きを選ばない

特に住宅密集地においては、建物を建てるにも制限があります。
お隣の家との関係性や土地の形状などが制約となり、住宅の向きが制限されるケースも少なくないのです。

このようなケースでも、四方に屋根のある寄棟屋根なら、見た目で苦労する心配がありません。
基本的にどの方向から見ても屋根のバランスが保たれるので、どこにどのような向きで住宅を建てても一定の外観を確保できるでしょう。

また、住宅密集地では、「斜線制限」という制限があります。
斜線制限とは、お隣の住宅の採光や通風を確保するために、建物の北側の高さに制限を設けるというものです。
屋根の四方全てに傾斜がある寄棟屋根は、斜線制限をクリアする上で非常に有利になります。

どんな住宅にも合う外観

寄棟屋根を住宅に採用することで、重厚さを演出できます。
全体的に落ち着いた雰囲気を醸し出す、安心感のある住宅に仕上げることができるでしょう。
個性的な派手さはありませんが、大人らしい雰囲気は長年住み続けるのにはピッタリです。

さらに、寄棟屋根は海外においても広く使われている屋根形状なので、洋風の住宅にも問題なく採用できます。
もちろん、日本でも昔から使われている屋根形状なので、和風の住宅にもピッタリです。
どのようなタイプの住宅でも美しくまとめてくれるので、安心して寄棟屋根を採用できますね。

寄棟屋根のデメリット

写真:寄棟屋根

次に、寄棟屋根のデメリットも紹介しておきます。
デメリットも正しく理解しておけば、大きなトラブルも未然に防ぐことができるでしょう。

比較的メンテナンスコストがかかる

寄棟屋根は、切妻屋根や片流れ屋根に比べると複雑な構造をしています。
そのため、新築やリフォーム、メンテナンスに余分な手間や材料がかかり、コストは割高になってしまうのです
また、手間がかかる分、工事に多くの日数がかかってしまいます。

一度のメンテナンスで多くの費用がかかるため、計画的に費用を捻出する必要があります。
また、突発的に雨漏りが発生してしまった場合は、ローンの利用なども視野に入れなければならないかもしれません。

ただし、耐久力が高い屋根形状のため、メンテナンスの回数は減らすことができるでしょう。
メンテナンスが少なく済めばコストカット効果も見込めるため、長期的な視点で見たコストは決して高いものではありません。

換気が悪くなりがち

寄棟屋根は、四方の軒が風の影響を抑えてくれる反面、屋根裏の換気が悪くなりがちです
屋根裏付近の外壁が露出していないため、空気の流れを効率よく作ることが困難なのです。
また、寄棟屋根の住宅は、屋根裏スペースが狭くなる傾向があります。
スペースが狭いほど空気の流れも悪くなるので、余計に換気の悪さを助長してしまうのです。

高温多湿な日本において、換気の悪さは重大な問題を引き起こすおそれがあります。
木材が湿って腐食すれば建物本体にもダメージがありますし、カビが繁殖してしまえば健康を害する可能性も考えられるでしょう。
場合によっては、シロアリが発生する可能性まであります。

しかし最近では、寄棟屋根の換気の悪さを克服するため、新たな機材や技法も開発されています。
そのような方法を採用すれば、換気の悪さによるトラブルに悩まされることはなくなるでしょう。

屋根裏スペースが狭い

寄棟屋根の住宅は、屋根裏スペースを広く取ることが難しいです。
屋根の四方が全て傾斜となる構造のため、これはどうすることもできません。
屋根裏を収納スペースとして活用する場合や、居室として活用する場合は不利な屋根形状です。

屋根裏スペースを活用する場合は、下の階とつなげることも検討しましょう。
下の階がより大きな空間となるため、使い勝手はよくなるかと思います。

太陽光パネルの設置面積が狭くなる

最近では、自宅の屋根に太陽光パネルを取り付ける方も増えてきています。
自動的に発電して電気代を節約できる上、余った電力は売ることができるということで、住宅を持つ多くの方が太陽光パネルの設置を検討しています。

寄棟屋根は4方向に屋根面が存在するため、確実に南向きにソーラーパネルを取り付けることができます
ただし、屋根面が多い分面積が小さくなるため、効率がいいとはいえません。
特に三角形の屋根面が南を向いている場合は、非常に発電効率は悪いといえます。

ただし、近年では売電価格は下降してきているため、大きなパネルを設置するメリットが小さくなってきています。
自宅で使う電気を賄うだけなら、そこまで大きな太陽光パネルは必要ないため、寄棟屋根でも問題はないといえるでしょう。

寄棟屋根を選ぶべき人

以上のことから寄棟屋根をおすすめしたいのは、以下のような人です。

・落ち着いた雰囲気の家がすきな人

・ 屋根の耐久性を重視したい人

・土地の条件が限られている人

寄棟屋根は、雨や風に強く耐久性が高い構造になっています。

耐久性に優れた長持ちする住宅を望む方には最適な屋根形状といえるでしょう。

また、住宅の向きや高さに制限が設けられてた土地に家を建てる場合も、寄棟屋根なら四方全てに傾斜がある形状になっているので制限をクリアできる上に、見た目の面でもバランスが保たれます。

寄棟屋根の見た目は重厚感があり落ち着いた雰囲気があるので、長年住み続ける家にはぴったりです。

寄棟屋根で雨漏りの原因となりやすい箇所

寄棟屋根は耐久性こそ高いですが、雨漏りには比較的弱いといえます。
切妻屋根や片流れ屋根に比べると接合部分が多いため、トラブルにより隙間が生じてしまう可能性が高くなってしまうのです。

特に寄棟屋根の中で最も雨漏りの原因となりやすいのが、屋根面の合わせ部分です。
そもそも、別々の屋根材が合わさり隙間が生じる部分なので、ちょっとしたトラブルが雨漏りにつながるおそれがあります。

特に「かき合い」と呼ばれる、大棟と隅棟が合わさるY字の部分は、非常にトラブルが発生しやすい箇所です
3枚の屋根材が合わさる最も複雑な接合部のため、その分トラブルが発生しやすいのです。
そのため、寄棟屋根で雨漏りが発生した際は、まずかき合いに取り付けられた板金に浮きや割れがないかチェックしてみるといいでしょう。

雨漏りを未然に防ぐには優良業者に相談するのが一番

寄棟屋根は接合部が比較的多いため、雨漏りのリスクを潜在的に抱えています。
しかし、必ず雨漏りが発生するかというとそんなことありませんよね。
接合部は板金により保護されているため、普通の状態なら雨漏りが発生することはありません。

雨漏りが発生する最大の原因は、板金が劣化してしまうことにあります
つまり、雨漏りを未然に防ぐためには、適切なタイミングでメンテナンスを実施することが不可欠というわけです。

屋根を正しくメンテナンスするには、確かな経験と技術が必要です。
劣化の状態を正しく見極める判断力と、雨漏りの原因を突き止める経験があってこそ、適切なメンテナンスが可能となるのです。

確かな技術のある優良業者に任せていれば、雨漏りを気にする必要はないといえます。
何か気になることがあれば、お近くの優良業者に相談してみてください。

寄棟屋根の雨漏りもエースにお任せください

寄棟屋根は、耐久性の高い非常に優れた屋根形状です。
接合部からの雨漏りにさえ注意すれば、長期間トラブルなく住み続けることができるでしょう。
安心して毎日の生活を送るためには、定期的に屋根のメンテナンスも実施するようにしてください。

もし、雨漏りについて相談したいけど優良業者が分からないというのであれば、私たちエースに相談してください。
創業以来、20年以上実績と経験を積み重ねてきた私たちなら、屋根の状況に合わせて的確なアドバイスできます。
職人による直営施工なので、修繕やメンテナンスも最高の品質でご提供します。お気軽にお問い合わせくださいね。

長谷川 昭人

WRITER長谷川 昭人

代表取締役

平成10年に塗装職人をスタートさせ、個人事業主のときも含めると創業24年以上。今では、国家資格の一級塗装技能士の検定員として職人の検定や実技の指導をするほど、塗装に関する技術や知識を認められるようになる。 アステックペイントというオーストラリアでの遮熱塗料シェアNo1の日本法人からも「関西での実績No1だ」と言われるようになりました。 経営理念、「住まいを通じて『安心』『快適』『感動』を証明する」を元に、お客様と社員の喜びづくりを軸に活動中。

[更新日: 2023-11-8]

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